今までにない老化予防になる食事とは?
老化予防と言うと、活性酸素を除去したり、糖化を防いだりというのが一般的な老化予防、つまりアンチエイジングの方法でした。
もちろん酸化や糖化も老化を促進させるものである事は変わりないかと思います。
しかし、今回は酸化や糖化というアプローチではない、新たなアプローチで老化予防できる食事の仕方をご紹介します。
カロリーを消費するのに体内時計が深くかかわっているのですが、実は、老化にはこの体内時計が関わっていることが分かりました。
つまり低カロリーな食事を摂れば、老化を防止できるのではないかという事が分かってきたのです。
これについて詳しく解説します。
低カロリー食で老化予防とは?
先日、カリフォルニア大学の研究で細胞のエネルギー代謝をコントロールする「体内時計」が、老化を促進させる要因であることが分かりました。
体内時計は加齢とともに狂ってくるそうなのですが、カロリーを30%抑えた低カロリーな食事にすることで、老化による体内時計の不調を抑える事が出来ると言うのです。
日本では昔から腹八分目が良いとされていますが、それが科学的にはカロリーを30%カットする事であると言えます。
研究内容と結果
カリフォルニア大学では生後8ヵ月と18ヵ月のマウスに対して、カロリーの摂取で体内時計が狂い、代謝のリズムが変わる事を確認しました。
マウスの実験ではありますが、若いマウスと高齢のマウスの皮膚から採取した幹細胞の生物時計機能を調査する中で、低カロリーの食事を与えると体内時計が若い状態を保つことが分かっています。
つまり低カロリーに食事をして入れた体内時計は狂わず、老化を食い止められるかもしれないという事です。
今回の研究者である、サルバドール ベニタフ氏はこう述べています。
「低カロリー食は、加齢の影響を生物学的に抑えるのに大きく役立ちます。幹細胞のリズムを若く保つことは、細胞組織が体内時計を保ったまま再生していくために必要です」
低カロリーはダイエットだけでなく、老化予防にも効果があるとなると、より一層低カロリーな食事をする人が増えそうです。
しかし、気を付けるべきは30%のカロリーオフで得られた結果だとう事は忘れてはいけません。カロリーが少なければいいという事ではありません。
体内時計は長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)にも関わっている
最近よく耳にする長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)、これは近年老化を遅らせる遺伝子として注目をされ様々な研究がなされています。
長寿遺伝子は誰もが持つものなのですが、長寿遺伝子が活性化するスイッチをONにする事が重要なのです。そんな長寿遺伝子に体内時計の働きが関わっている事もこの研究で分かりました。
つまり体内時計整える事は老化予防、アンチエイジングにとって細胞レベルで重要な要素であることになります。
長寿遺伝子にはSIRT1からSIRT7まで7種類があり、SIRT1の研究がもっとも進んでおり、今回の研究でもSIRT1は体内時計にも作用する事は判明しました。
さらに研究が進み長寿遺伝子を活性化させる事が出来れば、老化予防にとって体内時計を整える事の重要性が増すでしょう。
長寿遺伝子(サーチュイン遺伝子)を活性化するには
長寿遺伝子をONにするにはカロリー制限が重要なのは他の研究でも分かってきています。
ここで注意しなければならないのは、カロリー制限しても食べ過ぎは長寿遺伝子をONにするのを妨げてしまうという事です。とくに単純糖質の食べ過ぎはインスリンの分泌を促すので注意が必要だという事です。
また、ルイジアナ州立大学などの研究では、食事制限でカロリーを12.5%カットし、運動で消費カロリーを12.5%増やすと、カロリーを25%制限したのと同じ効果があることが確かめられています。
ルイジアナ州立大学のこの研究では、老化予防には運動とカロリー制限を併用する事が効果的で、いつまでも若く長生きするために必要な糖代謝などの老化に関わる測定値を改善したことが分かりました。
まとめ
一言でいうなら老化予防の最善策はカロリー抑える事と、腹八分で抑える事、そして適度な運動。これをせずにアンチエイジングは難しいと言えるでしょう。逆に言うとこれらを実現する事は若くいるために重要であり近道だとも言えるのではないでしょうか?
なにより、自分の努力だけで出来る事なので、お金もかからず、簡単にできます。アンチエイジングしたいのであれば、すぐにでもやってみるしかないのではないでしょうか。
参考論文:
Link between biological clock and aging revealed
Aged Stem Cells Reprogram Their Daily Rhythmic Functions to Adapt to Stress